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ハートにモザイク

ライトに映ったシルエット

それは犬が虹を見たと言うことと同じことなんだ

スマホをどこにやったか見つからなくて、電話をかける。あぁ、そうだマナーモードにしたんだった、小さいと思った絶望が目の前に大きな波となって私に覆い被さる。いつもはあるはずのものがいきなり姿を消す。画面の向こうでは明るいBGMが鳴り響く。今日は五月の中旬並みの天気です。お洗濯日和ですね。髪の毛をくるくると巻いて、華奢な体に似合うフレアスカートを履いた、笑顔が似合うお姉さん。ゆるゆるとしたズボンを履いた私は思わずしゃがみこむ。絶望の波で濡れた髪を太陽が照らす。網膜がどんどんと曇っていくことをひどく冷静に感じる。つーっと背中に伝う汗で自我を保つ。そういえばジャケットのポケットに入れていたんだった。ほらね、あった。家で無くしたのだから絶対に見つかるんだよ。安堵を紅茶と共に流しこむ。今日は良い天気だ、洗濯物を干そう。おまけにシーツも干してしまおう。あれ、そういえばスマホをどこにやったっけ。